「13の基本的な禁止令」
交流分析の中に「13の禁止令」という自分自身を制御している意味の言葉があります。
(※他にもたくさんの禁止令の分類があります。)
頑張っているのにうまくいかない
人が苦手でストレスがたまりやすい人
やる気が出ないとか、自分自身がよくわからないなど
私たちは、自分では気が付かない無意識で自分に暗示を掛けている「禁止令」があります。
「こうあるべき」「○○○しなければならない」と言う思い込み(無意識的思考)が私たちの行動を縛り
「やりたいとはおもうけどぉ~」 「けどぉ~~~」「だってぇ~」と尻込みさせます。
人に迷惑を掛けてはいけない、そのためには自分の好き嫌いを言ってはならぬ
愛される人になるために、人を喜ばせなくてはならぬ
成功すると人に羨まれる 孤独になる 不幸になる
仲良くなってもどうせ人は去って行く
いつの間にか自分に染みついている思い込み(信じ込み=ビリーフ)は誰でもあります。
しかし、いつの間にか自分を制御している事に私たちはなかなか気付けずにいます。
ここで言う「禁止令」が原因となり生き辛さを感じている事が多々あります。
「禁止令」が全くない人はいませんが、この「禁止令」に気付き解除する事により、今まで知らず知らずの内に
はまっていたパターンから抜けてストレスから解放され自分らしくラクに生きられるようになります。
¬¬¬¬¬¬(※交流分析とは 1950年代後半に精神科医エリックバーンによって提唱された一つの心理学パーソナリティー理論である。)ここでは、それを元にして雅流望(ミナミ)独自の解釈を加えています。
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「基本的な禁止令」
1, 存在するな
2, 欲しがるな
3, 自分の性であるな
4, 子供であるな
5, 成功するな
6, 重要であるな
7, 近づくな
8, 健康であるな
9, 考えるな
10, 感じるな
11, なにもするな
12, 所属するな
13,成長するな
① 存在するな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
自分なんかいない方がいい
消えてしまいたい
存在しない方がいい
「私ってダメな女ね~あなたの妻でいる資格なんてないわ~」
「死んでしまえばいいのよ、ごめんなさい」
※禁止令の中でも最もきつい禁止令
しかし、多かれ少なかれ9割以上の人がこの禁止令を持っていると言われている。 幼少期に虐待を受けたり「お前さえいなければ良かったのに」と言われて育った。
または、そのように感じる態度をされた。
拒絶や存在無視などで、親の不幸は自分のせいだと思い込んでしまった。
リストカットなどの自虐行為、アルコールや薬物依存など自分の体や命を大切にできなくなってしまう。
自分の存在理由を求めるために人に尽くし過ぎて
しまったり、頑張り過ぎてしまうこともある。
生きることに絶望したような態度で投げやりになったり、どうでもいいや~と自爆自暴になる
うつ、摂食障害、物質依存、
□認めてもらうためにスーパーマンになろうとする。
「おれの生きざまをみせてやる~」
自分に向かうと自殺したくなる
他人に向かうと人を殺したくなる
② 欲しがるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
自分の要求を言えない
頼み事ができない
自分の幸せを人に譲り
自分は後回しもしくは
いらないという
親が苦労して我慢している姿を見て来た。
我慢しなさいと云い聞かされて育ってきた。
何らかの状態で我慢することを強制された。
人の欲しいものに敏感で あれこれ分け与える。
本当に欲しいものが分からずいらないものを買う。
我慢癖がついて自分の要求が一体何なのか
分からなくて「どうしたい?」と聞かれると固まる。
自分の望みは叶わないと無意識に思っている。
「なんでもいいと」答える。
いらないといっておきながら、いつまでも根に持つ
なんとなくモヤモヤして嫉妬深いグジグジしている。
よかれと思って相手にしたことが喜ばれないと
無気力になる。
□そんなものは、つまらないと逆のことを言う
いい人ぶった偽物の偽善者になる。
買い物依存 買ってはいけないと思えば思うほど欲しい気持ちが高まって買ってしまう。
③ 自分の性であるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
・女性の場合 自分の女っぽい
部分が嫌でわざとズボンを履き、髪を短くして男らしくしてしまう。
ぶりっこに嫌悪感を感じる。
・男性の場合 自分の男っぽい部分が嫌でわざと女らしくしてしまう。
気遣い心遣いが女性的で優しい
親や家系の流れで跡継ぎが欲しいなど、本当は女の子や男の子が欲しかったといわれた。
女は、こうあるべき。男は、こうあるべきと言い聞かされたため
やることなすことに性が紐づけられ男だから、女だからと考えてしまう。
男は泣いてはいけない。
強く無ければ男じゃないなど教育された。
性的虐待を受けるなど自分の性に不安や恐怖、または自信が持てなくなる経験をした。
□あえて強調したようなムキムキになったり
キワドイ格好をしたくなる。
④ 子供であるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
人に気を使い過ぎる
素の自分を出せない
思い切り遊んだり楽しんだりできない 大きな声で話せない
大きな声で笑えない
踊ろうよ~と言われても一歩引く
常に周りの事ばかりを心配して世話をする。
責任感が強すぎて何でもかんでも背負って苦しくなる。
犠牲的役割を引き受ける
決まり事がないと落ち着かない
礼儀作法を重要視する
人の期待に応えようとする
「ちゃんとしなきゃ」「しっかりしなきゃ」パニック症、対人恐怖 お姉ちゃんだからとか、長男だから
「しっかりしなさい」と言い聞かされ育った。
または、そのように感じる空気があった。
怠けちゃいけない、快楽はすべて悪だというような
しつけをされた。
極端に他人には頼らない親の影響を受けた。
子供らしく自由に過ごせなかったことが原因
わがままを言えない状況だった。
夫婦ケンカをまのあたりにした。
□甘えベタなのに無理に人と関わろうとして滑る
⑤ 成功するな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
いつも同じパターンで失敗する
成功することが怖くなって投げ出してしまう。
重要な時に体調を崩す。
必ずトラブルが起きる。
トップに立てない
理屈をこねる
成功しても認めてもらえないのに失敗したときはやさしく励まされた。
完ぺき主義の親に批判された。
「お前は肝心なところでダメになるな~」と言い聞かされた。
成功しない方が可愛がってもらえる
前に出ない方が楽だと思える得をすると感じた経験
□勝たない方が価値があると開き直る
「負けるが勝ち」「馬鹿らしい」
⑥ 重要であるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
目立つことが嫌
人の上に立つことが苦手
自信が無い。
発言することが苦手
極端に地味な場所やファッションを好み目立たないようにする
自分には、価値がないと感じる。
親から褒めらた経験が無い。
否定ばかりで認められた感覚が無い。
親に自分の意見を聞いてもらえなかった。
いつも怒鳴られていた。
優秀な子と比べられて育った。
兄弟姉妹ばかりが可愛がられた。
□猛アピールや自慢話と言う反抗的逆パターン
を取り関心を得ないと不安になる。
縁の下の力持ちとして周りをサポートするが
褒められたり尊敬されると素直に受け取れず嫌悪感を感じる
あえて自分がいないとダメになるようにコントロールする。
⑦ 近づくな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
人に心配事や本心を言えない
一人で何とかしようとする
他人と親密になれない壁をつくってしまう
自分さえ我慢すればいいやどうもてしまう
潔癖症
子供のころ親から「忙しいから後にして」と言われた。
何らかの状況で他人に預けられた。
距離を置かれたり避けられることが多かった
自分が人に近づくと迷惑になると思い込んでしまった。
ウィルス感染などで異常にピリピリした状況
重要な存在として扱われなかった。
必要とされる感覚がなかった。
バイ菌扱いされていじめられた。
□突然 人恋しくなって問題行動になってしまう。
批判的な形で遠くから人や状況を見る
⑧ 健康であるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
悪いところがあるわけじゃないのによく体調を崩す
ちょっとした我慢や風でも大げさにふるまってしまう
暴飲暴食がやめられない拒食と過食を繰り返す摂食障害自ら健康を害してしまう
からってほしくて突拍子もない発言をする
病気の時だけやさしくしてもらえた
親が病弱な兄弟姉妹の面倒ばかりを見ていた
家に病人がいたので健康な人が働いた
病気になれば大切にしてもらえると思い込んで
しまっている
□健康に気を遣いすぎて健康オタクになる。
栄養管理を徹底した食事やフイットネス管理で
⑨ 考えるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
論理的冷静に考えられない
特定のことを考えられない
自分で判断することが極端に苦手
自分で考えられず占いや助言者のいうことを信じ込む
「口答えするな」「言う事を聴いていればいいんだ」と
言われて育った。
親が支配的だった。
やることなす事全て親が指示命令をしていた。
おやがヒステリックだった。
自分が考える事を取り上げられてやめてしまった。
自分の考える事に失敗感がある
□「自分でかんがえろ!」と怒られ
頑張って考えて、考えて考えすぎて大失敗をする。
的外れな事に突っ走る。
⑩ 感じるな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
物事に無関心
感情表現が苦手
喜怒哀楽が無いまたは分からない
何が好きで、何が嫌いか分からない。
感覚が薄れているので当事者であってもまるで他人事のように感じられる。
周りからみたら、何を考えているのか分からない人だと言われる。
感情を抑え込むのが癖になり 無関心無感動になってしまった。
自分の感情や感じ方を表面に出さない方が良いと思えるような状況があった。
親密な関係に尻込みする。
人を頼らないし頼られると苦痛を感じる。
敏感すぎて人間関係が不自然で付き合い辛い。
辛いことを辛いと思わず、人が泣いていると嫌な気分になり離れたくなる
(まるで自分が責められている様に感じる どうしていいのかわからない)
無気力 無感動 無関心
□結婚詐欺 人殺し 死んだように生きる
⑪ 何もするな
考え方・状況 原因
自分には出来ないと思ってしまう
出来ない言い訳や理由が瞬時に思い浮かぶ
できない状態が自然に起こる
やりたいことが分からない
やりたいことをすることに罪悪感を感じる
親のしつけが厳しかった
親が心配性で過保護 過干渉だった
些細な事で注意されたり怒られた
自分がやったことに失敗感が残る様な経験がある
何もしなくても事が済んでいた
□何かしていないと存在してはいけない様なきになり
せかせかと働き続ける。
⑫ 属するな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
集団やグループに溶け込めず疎外感を感じる
みんなで一緒に、和気あいあいとした空気が苦手でどのように関わっていいのか分からない
ひとりで過ごす方がラクだと思う
極端に一人を選ぶ(心の中は寂しい)
幼いころ「あの子と友達になってはいけない」と
言われた。
親せきや近所づきあいを嫌う親の影響
家族がバラバラで離ればなれだった
子供だからと親の話しに首を突っ込んではいけなかった。
いじめや仲間外れを経験した
生活水準の階層が周りと違っていた。
⑬ 成長するな
考え方・状況 原因 (□反抗的決断)
責任のある立場が苦手
遅刻やうっかりミスを繰り返してしまう
一人で何かをするのが不安
人に依存し頼ってしまう
わざとできない人を演じてしまう
「わからなぁ~い。」「できなぁ~い。」
「おねがぁ~い。」「やってぇ~」 末っ子、男兄弟の中で一人女の子が生まれたなど
何らかの状況で過保護に育てられた
親が何でもかんでもしてくれた
兄弟にできる人がいて頼っていた方が関係が上手くいった。
可愛すぎて甘やかされて育った
何もできない子供のままの方が喜ばれる大切にされると言う思い込み
□同じようにできない人や甘えた人を見ると猛烈に
反応して批判したり威張った態度で強く出る。
「反抗的決断」とは
□禁止令が強化されて真逆にでる
「禁止令を解除するために」
・感情に気付き受け入れる(そっか~ そうなんだ~ やっぱりね~)受容
・感情を解放する(あの時さ~なんであんな事を言ったの~? 辛かったよ。悲しかったよ。寂しかったよ)
・受け入れてくれる人や場所に出会う。(自分だけじゃないんだ~。そんな感情もあっていいんだ~)
・感謝に変える(あの時のお陰、そんな中でも育ててくれた、親も辛かったんだ~、ありがとう)
解除していくのは、なかなか一人では
難しいです。
そして、間違った解釈は、怒りや恨みを呼び
更に辛くなります。
私は、禁止令があって生き辛いのかもしれないと思ったら
是非カウンセリングやセラピーで禁止令を解除する事をおすすめします。
怒りや悲しみの更に奥にある感情は、愛です。
その本物の感情にたどり着けるように
セラピストは寄り添います。
他にも禁止令の分類は沢山あります。
1,生存に関する禁止令(サバイバル)
① 存在するな*
② 健康であるな*
③ 信頼するな
④ 重要であるな*
⑤ 正気であるな
⑥ 触れるな
2,人間関係に関する禁止令(アタッチメント)
① 近づくな*
② 愛着を感じるな
③ 属するな*
④ 子供であるな*
⑤ 欲しがるな*
⑥ 関わるな
3,自己に関する禁止令
(アイデンティティ)
① お前であるな
② お前の性であるな*
③ 離れるな
④ 見えるな
⑤ するな(なにもするな)*
4,能力に関する禁止令
(コンプレンツ)
① 成功を感じるな*
② 成長するな*
③ セクシーであるな
④ 成し遂げるな
⑤ 考えるな*
5, 安全に関する禁止令
(セキュリティ)
① 楽しむな
② 感謝するな
③ 感じるな*
④ くつろぐな
⑤ 人生をわかちあうな
「ビリーフ」思い込み信念良いことも悪いこともある
「禁止令」無意識に禁止している事
「拮抗禁止令」禁止令に対して発動する行動や言語
「ビリーフの書き換え」=ビリーフチェンジ 再決断など