2023年9月6日
12:00
こころ講座

こころ講座 No.7 「依存」

今回のテーマは…「依存」です。

「依存」とは

他人や組織・モノに、愛情や支持・保護・援助を求め、それがなくては生きていけない状態のことで
行為や思考のコントロール障害とも言われています。

そして自分ではやめられなくなり、精神医学の立場から病気と認められているものを「依存症」と言います。

   例)アルコール(AA)、薬物(NA)、ギャンブル(GA)、ゲーム、性依存…など

依存症が増えている理由

それは、モノの豊かさと心の豊かさが反比例する時代になったからです。

昔、マンモスを狩って生活している時代には冷蔵庫はありませんでした。
どんなに大物を狩っても数日経つと腐ってしまいます。
なので、新鮮なうちに村や周りのみんなで分けて生活していました。

動物を獲る人、野菜を採る人、魚を獲る人…衣食住を確保する人…
それぞれが自分のできることで得たモノを、みんなで分け合って支えあっていました。
支え合わないと生活できなかったのです。

では、今はどうでしょうか?

今は、貯蔵できるようになりましたね。

自分の物は、自分の物。
豊かになりすぎて(貯蓄・貯蔵ができる人がより豊かに)、

言い変えると孤立を選ぶことができるようになったのです。
煩わしい人間関係を避けて、孤立して生活できるようになりました。

こうして、人間関係が苦しいからと一人になることを選ぶことができる時代になりましたが
人間は究極一人では生きていけません。
孤立・自立しても寂しさを埋められない
からです。

人間は、究極一人になると気が狂いそうになります。
それを紛らわすために、アルコールやギャンブル、薬物に依存するようになるのです。

人と共存しないと生きていけないのに共存できず
孤立を選べるようになったものの、孤立しきれず究極の依存(アルコール・ネット・ゲーム・薬物…)を生むのです。

  例)

  ・親の愛情が子供に集中し、愛されて当たり前という自己愛の強い偏った考え方の子供 
  ・自分のことで頭がいっぱい、成果主義、能力主義の激しい競争社会で生き抜く勤労者の不安
  ・IT技術が進み、便利さの反面、人と顔を合わせなくなっている
  ・地域伝統、文化、相互扶助などが伝承されなくなり、隣人も顔を知らない人が増えている …..

様々な依存

「共依存」

自分が安心や満足を得られないために、誰かにしがみついたり、相手を支配・束縛しようとすることです。
相手も自分が必要とされていることに依存します。

  例)ドラえもんとのび太の関係 

     ※ 依存・犠牲・共存・孤立・罪悪感…と根っこでは繋がっているのです

「人」への依存

良好な人間関係は、それぞれが対等な人間関係で支え合いますが
悪い対人依存は、相手にしがみつくか支配しようとするという上下関係(コントロール)でつながります。

「物質」への依存・「行為」への依存

孤独や寂しさから、PCやゲームに依存(バーチャルな世界の主人公は自分であり、全て自分の思い通りに動かせる) するなどがあげられます。

精神的な安定がある時は出てきませんが、何か精神的にストレスと感じると出てきて
以下のように進行していきます。

   ① 精神的にストレスを感じる
      ↓
   ② 最初は我慢をする
      ↓
   ③ 快感を覚えると段々と我慢の時間が短くなる
      ↓
   ④ 後悔・我慢
      ↓
   ⑤ストレス・ だんだん大きく犯罪性が出てくる
      ↓
   ⑥ 後悔・諦め・我慢
      ↓
   ⑦ ストレスを感じる・精神的不安
      ↓
   ⑧ 罪悪感や自己否定、自己肯定、攻撃性、虚言が出てくる
      ↓
   ⑨ 不安を誤魔化す・依存が強まる・抵抗
      ↓
   ⑩ 自滅、身体的病、幻覚、幻聴、手の震え、対人関係、不眠
                                 ….と、どんどん進行してしまいます。

どうすれば良いのか? 

孤立したままでは依存からは、抜け出せません。

同じように依存から抜け出したいと思う仲間の分かち合いが必要なのです。
一人ではないということが大事です。

まずは安全な場所・信頼できる人のもとで
抑えていた気持ちを言葉にしたり、辛さを受け止めてもらう体験が大きな力になります。

どんな自分でも受け入れてもらえる安心感を出発点にして、「自分をあえて苦しくさせるような生き方」から抜け出しましょう。

長年のパターンを変えるのは簡単ではありません。
しかし、少しずつ経験として身につけていくことが大事です。

過去の喪失感や心の痛み、後悔や劣等感をどのように処理して良いのかわからなくなる時
その原因を誰か・何かのせいにしたくなりますが、自らの選んだ自分の人生に責任を持ちましょう。

そして受け入れ、良い意味で諦め、喜び、感謝し、面白がり、楽しく、笑えたら良いですね。

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