こころ講座 No.3 「コントロール」

今回のテーマは…「コントロール」です。

コントロールと聞いて連想されるのは、ゲームのコントローラー、野球、運転などがありますよね。

「コントロール良くボールを投げたいのですが…」「コントロールが効かなくなって事故を起こしてしまった」「自分の感情をコントロールできない」などと会話でも使うことがあると思います。

定義とは？

そんな何気なく使う「コントロール」ですが、定義をご存知ですか？

自分の思い通りにならないもの・信頼できないもの・上手くいかないものを
自分の思うまま（期待・欲・こうあるべきイメージ…）にしたいことを言います。

上手くいっていないところにコントロールは存在するのです。

例えば…

　　● 馬の調教師
　　　　　→馬を走らせたり、止まらせたり自分の思い通りに動きを制御できる
　　　　　→すごい！信頼できる！

　　● 精密に動くパソコン
　　　　　→言う通りに動くし、容量も大きい
　　　　　→信頼がおける！

自分の期待やこうあるべきイメージが大きくなればなるほど、コントロールしたくなり
そしてコントロールが効くと安心するのです。

コントロールの対象

コントロールの対象は大きく分けて2つです。

　① 自分よりも下の対象の場合
　　　　部下・生徒・子供・気が弱い人・貧乏な人などが対象です。
　　　　権力・威圧・正しさ・暴力・脅し・罪悪感を得る・ルールなどでコントロールします。

　② 自分よりも上の対象の場合
　　　　上司・先生・親・気が強い人・お金持ちの人などが対象です。
　　　　必要以上にへりくだる・反抗・無視・病気・引きこもり・集団ストライキなどでコントロールします。

　　　※コントロールしたくなる対象は、自分よりも立場が下の場合に強く出ます

ワークをしてみましょう！

ここまで概要をお話してきましたが、ここからはワークを行います。

　● あなたはコントロールされたいですか？
　　　・今までにコントロールされていると感じた事を書き出してみてください
　　　・どんな気持ちでしたか？
　　　・ずっと続いたらどうですか？

どうでしょうか？

怒り、悲しみ、不満が蓄積、役割、犠牲、義理、義務…という気持ちが出てきますよね。
そしてコントロールは、相手との間に感情的な壁を作ったり、更なる要求や依存、当たり前、DVなどという悲劇を生むのです。

コントロールされたくないですよね。

でも人は、コントロールされたくないのに、人をコントロールしたいと思っています。
矛盾に気づかないのです。

その原因は、何でも思い通りになる世界になったからなのです。

自然の中で生活していた時代は、自然をコントロールすることはできません。
暑くても寒くても、天気をコントロールすることはできませんでした。

でも今はどうでしょうか？
暑ければクーラーをつければいいし、寒ければストーブも炬燵もあります。
自分の思い通りにコントロールが効くものに囲まれている生活になったのです。
　　※逆に今はAIにコントロールされる側になってきていますね…

コントロールされてしまう人とは？

では、どういう人がコントロールされてしまうかというと…
罪悪感を持っている人＝感情の抑圧をしてしまう人ほど、コントロールされてしまいます。

そんなの苦しいですよね。
人の思い通りに動く人生だから、苦しくて自分らしく生きられないのです。

コントロールを生む原因

コントロールを生む原因は…
　　・過去の失敗
　　・未来の不安から来る不信感

こんな事をしていたら必ず失敗する、そんな事をしたらダメになると…だから失敗する前に教えたいと思います。
そこには自分の欲望があるのに、愛情だと思っているところが罠です。

よく見られるのは、親から子へのコントロールです。
「これはダメ、それは絶対に失敗するからこっちにしておきなさい」と言い、そして失敗すると「だから言ったじゃん」と….

コントロールしたくなるのは、信頼できないものに対してです。
その子の価値を分かっていなくて、信頼していないからコントロールしようとする。

でもそれを親も子も愛情だと思って、コントロールしている・されていることに気づかないのです。

自分の役割・やるべきことだと良し悪しの判断をできずに受け取っているために、自分らしく生きれず苦しいのです。